> 今夜、浴衣姿の君と……
「行きたいところがあるの……」と呼び出された俺の前に現れたのは、浴衣姿の君だった。



クリーム地に深い赤色の桜と菊が描かれている浴衣は、いつもの可愛らしい君に少し大人の雰囲気をまとわせる。


『やっぱり、変………だよね…?』

アップにまとめた髪は、何度やり直したのかな?

髪を触る手が耳からうなじへと移るのを、気が付けばずっと目で追っていた。

俺の方へと視線を向けた君の目が少し上目遣いで、俺の心は意図も簡単に鷲掴みにされる。



『………好きだよ…』

『えっ?!///』

『あっ…その……あげる?のもいいね。
よく似合ってるし、そういうのも好きだよ』


パッと明るい表情に変わった君が嬉しそうに俺の腕に触れ、少しぎこちなく腕を組む。




付き合い始めて、2ヵ月…。
『好き』という言葉は、告白の時以来言ってない。

ダチに聞いても、
「そんなの言いたい時に言えばいーんだじぇ」って、俺の求める答えをくれない……。






カツカツカツ………

歩き始めて、10分。

浴衣姿の人や同じ方向に向かう人達が増えてきた。


『ユチョナ~~』


中学の時の同級生の女子が、通りを挟んで手を振っている。

ニッコリと笑って手を振り返すと、その隣にいる男に目がいった。

「あいつ、また違う男連れてるし……(笑)」


『ハハッ…』

呆れて笑った拍子に微かに声が漏れると、組んでいた手がギュッと締め付けられた。


その腕の方へ顔を向けると、今にも泣き出しそうな君がギュッと腕を抱え込んでいた。


「どした?」の問いに、返ってきた君の言葉……




『やっ……ユチョン君。
そんな優しそうな目で他の人…………見ちゃやっ………』



潤んだ瞳が、心の中の鎖を解いていく。


『中学ん時の友達だよ。
俺の一番は結衣だから…………好きだよ、結衣』


弾けんばかりの笑顔を見せる君が、涙を拭いながらまた、俺の腕を抱きしめる。



「………あの………当たってんだけどな、腕に……その…………胸が…///」


嬉しそうな君の横顔を見つめながら、思った。

女ってすげーなぁって。

こういうドキッとすることをさらっとやってのけるから………いや、計算か?(笑)




『どーぞ、お使いくださーい』

外食チェーン店が店前で配っているうちわを手に取る。


『今日も暑いねぇ……ユチョン君…』

信号待ちで止まった俺達は、パタパタと扇ぎ始める。

うちわを扇ぎながらもう片方の君の手が、胸元の合わせでキュッと止まると、俺の視線は君に釘付けになった。


指を入れて掴んだことで、隠れていた君の白い肌がチラッと顔を覗かせたからだ。


ゴクン………

大きな音を鳴らした俺の喉。


その音に気付いたように君が俺の方へと振り向くと、ジッと見つめてゆっくりと俺との距離を縮める。


目の前まで来た君が、俺の胸にそっと手を付き少し背伸びをする…。

君の唇が、ゆっくり……ゆっくり………俺の顔の近くまで来ると、



『ふーーーーっ………』

君は口を少し尖らせて、顔に息を吹き掛けた。


『……あっ、取れたよ………まつげ…』


次の瞬間、掛け声だけ聞こえていた子供神輿が、角から姿を表した。



君は何事も無かったようにその神輿を見てるけど、俺の心は……。





『お祭りに来たかったんだ?』

『あっ……あのね、どうしてもユチョナと一緒にお参りしたくて……』

『お参り??』

『……うん。
これからもずーっと、ユチョン君の彼女でいられますようにって…………///』


そう話して振り向いた君の瞳がキラキラと輝いて、俺の男心に火を灯す。




『ねぇー結衣。お祭りの後、うちに来ない?
どーしても伝えたいことがあるんだ………ダメ?』











「今夜、浴衣姿の君と………………














……………………1つになりたい」














※ 〇〇さん、名前の提供ありがとうございましたっ!!m(__)m
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by k-tmyf | 2014-08-02 02:31 | 短編

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