幼なじみはMy doctor 13
『んっ……さくら………?おはよぉ……』


重たい瞼を必死に押し上げながら、ユチョンがベットの端に座って着替えているさくらに寝返りを打って手を伸ばす。


すると、まだ着替えもそこそこのさくらがパッとユチョンの手を払って立ち上がった。


『仕事行くから、帰るね…』

まだ怒っているのか、口数も少ない……。


『ったく……、いつまで怒ってんだよ』


体を起こしてユチョンがベットに座ると、


『……教えてくれるまで、口きかないから……っ!』


立ち止まって振り返ったさくらが、勢いよく顔をそっぽに向け帰っていった。


『ああぁーーっ!!何でこうなるんだっ!
………さくらぁ…、愛してるよぉ。俺達…こんなんで結婚出来るのかなぁ………』


ボスンと再び横になったユチョンは、さくらの温もりがまだ残る枕をギュッと抱きしめて呟いた。





その日からユチョンは忙しくなった。

仕事で……ではなく、日曜日にむけて…だが(笑)



『まずは朋さん…。』


昼休み中にこそっと朋さんを呼び出し、協力してもらえるように説明をした。


すると、やってもらいたいことの説明にたどり着く前に、朋さんは わっ!!と騒ぎ出した。



『先生っ!ユチョン先生っ!!…昨日……あの後決めてきたのね♪
はぁ…やっと二人が結ばれる……。肩の荷が降りたって感じだわぁ~…、はっ!今日も歌いに行かなきゃっ!!ルン♪』


と、朋さんが診察室から出て10分もしないうちに、医院内全ての人からお祝いの言葉をかけられた…。



『朋さん……サプライズなんだ………、お口チャック。…分かった??』


顔を引き攣らせながら何度となく説明したが、分かってもらえた頃にはもう夕方になっていた。



『先生!頑張ってね!!私、応援してるからっ!!
…で、私は指輪のサイズを聞けばいいのね?……お任せあれ♪』




「いつもなら帰る頃なのに……」


帰り支度を済ませた朋さんが鼻歌を歌いながら待合室を掃除している…。


『どうしたの、朋さん?唄いに行くんでしょ??掃除は明日でもいいのに……』

白衣を脱いで帰り支度をしながらユチョンが聞いた。


『え??あぁー…、ちょっと待ち合わせを…。フンフンフ~~~ン♪』


相変わらずの鼻歌でゴソゴソと本棚を整理している朋さんを横目に、診察室へ戻って鞄に荷物を入れ閉めたところで、誰かが入ってきた音が聞こえた。



『ごめんなさい遅くなって!…急に話って……何ですか??』


その声の主は紛れもなくさくら……!


パッと顔色が明るくなって飛び出そうとしたユチョンだが、今朝の一件が胸に引っ掛かり扉の前で足を止めさせた…。



『いやぁーねぇ、随分古い指輪なんだけどさくらちゃんにあげたいなって思って……お直しついでにサイズ聞いておこうかなって♪』

『えっ……確か5号だったと……って、どうして私に指輪を……?』


『聞いたわよぉ~、ユチョン先生とお付き合い始めたんですってぇ?何かラブラブな話を聞いてたら嬉しくなっちゃって…♪

はぁー…、日曜日が楽しみねぇ///私達サーーッと姿消すから、その後は二人で盛り上がってねぇ♪』


「日曜日…?二人で……?」

朋さんの言ってることが全く分からず困惑していると、たまり兼ねたユチョンが診察室から出てきた。



『ちょっ、朋さんっ!!…シーーーーッ!!!』


『先生…?
あっ!!ごめんなさい…また私、口が滑っちゃった…。あっ、サイズ5号だって…聞こえてた??』

最後の最後までことごとくヒミツを暴露してくれた朋さんにユチョンが頭を抱えていると、朋さんを見送ったさくらがゆっくりとユチョンの方へと振り返った。


『……指輪のサイズって、何?どうして私のなの??』


状況から考えて、私へのプレゼントかな?と少なからず期待しながら、緊張した面持ちでユチョンに聞いた。


「もうダメだ…。サプライズ……諦めよう……」


そう思ってユチョンが理由を話そうと口を開きかけた時、小学校の6年生の頃に聞いたさくらの言葉を思い出した。



あれは学校の帰り道の途中にある駄菓子屋さんで、中学2年のさくらが友達と寄り道をしているのを見かけた時のことだった。


一瞬さくらを目で追ったが、他の人に知られたくなくて俯いて通り過ぎようとした。


『いや~~ん、さくらロマンチックだねぇ…。プロポーズはサプライズ……、ステキ…///』


さくらの友達の話を聞いて、思わず立ち止まって店の外で聞き耳をたててしまった。


『一生に一度のプロポーズ…///私は、みんなに祝福されるような感動のサプライズがいいなぁ……』


目をキラキラと輝かせてそう話していたさくらを、10年間忘れることはなかった。


「もしそうなれば……、そうなることが出来たら……!」

その思いを今、俺は実現しようとしている。




「やっぱり……喜ばせたい………!」


思い直したユチョンは、嘘を見繕って話しだした。



『友達がさ、彼女に内緒で指輪を贈りたいって言っててさ、聞かれたけど俺、分かんなくて…。
背丈も体重もさくらと同じみたいだから参考にと思って……』


『だったら……隠すこと、ないんじゃない…?
……本当に、それだけ??』


さくらの問い掛けに「うん」と頷くと、 自身も気付かないうちに、

『はぁー…』

とため息をついていた。



それを聞いたさくらは、


『朋さんには何でも話して、私には本当のこと……何一つ教えてくれないのね……。
日曜日のことだって……!』


『またそれ!!?』


さくらの話を遮るように、ユチョンが大声で叫んだ。



初めて聞いたユチョンの大声にビックリして言葉を失っていると、さくらの携帯が鳴った。





『あっ……お疲れ様です。……はい、大丈夫です。何かあったんですか??

……………えっ?日曜日…?』


会話を止めたさくらが、ユチョンの方へと目を向ける。



シーーンと静まり返った待合室に、微かに漏れてきた男の声……思わずキッとユチョンが強くさくらを見た。



「教えてくれない仕返しに……」

ただ……ただそう思っただけだったのに……。



『日曜日ですね?はい、大丈夫です。出勤できます』

そう答えるさくらをユチョンは強い眼差しのまま、じっと電話が終わるまで見つめていた……。






続く
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by k-tmyf | 2013-10-10 21:56 | 幼なじみはMy doctor

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